8月1日から7日までの一週間、ゆきぐに探究委員会のインターンに学生サポーターとして参加させていただきました!
ゆきぐに探究委員会とは、十日町市と津南町の4つの高校が連携して、高校生自身がやってみたいことや興味のあることを題材に、地域でのインタビューや記事の作成、グループ活動などを通して、『総合的な探究の時間』をより主体的で深い学びになるよう盛り上げていく活動です。
この一週間、探究に取り組む高校生と交流して、『総合的な探究の時間』についてだけでなく、自分自身の生き方についても考え直すきっかけにもなりました。
初めまして!
長岡造形大学美術・工芸学科3年の古川七海です!
大学では美術科の教職課程を選択し、日頃から教育や子供について関心があり、今回のインターンにも参加させていただきました。
いろいろなイベントや活動で教育について考える中で、今高校生に必要とされているものは、多様な人と出会う機会なのではないかという考えに至りました。
学校や家庭内だけではなく、他校の生徒、地域の大人などさまざまな立場や年齢の人と出会って話をし、その人の実体験やバックグラウンドから得る学びこそが、「生きる力」につながっていくのではないでしょうか。
十日町と高校生
「十日町って何もない」
っていう高校生もいたけれど、美味しいご飯のお店をいくつも知っていて、商店街を歩けばラジオが流れる明るい街。地元のシャッター街になってしまった商店街を思い出せば、十日町は帰りたい居場所のような暖かさがありました。
昔からあるお店が愛され、地域の人に見守られながら、十じろうや分じろうといった交流の場がある。
探究の資源が盛り沢山の十日町で、高校生の「総合的な探究の時間」を使って交流の場を設けることは、高校生が地域の中の自分、社会の中の一員であるという自覚を持ち、地域と共創しながら、学びを得ることができるのではないでしょうか。
一週間という短い期間でしたが、学生サポーターとして高校生と十日町をつなげるために何ができるのか考えながら交流しました。
出会うことの重要性
高校生自身が興味を持っていることについて考える探究では、そのテーマがなんでもオッケーだからこそ、何をやったらいいのかわからなくなる子も多くいて、『偏愛マップ』を使って好きなもの見つけをすることから始めました。
話をしてみると、次々と好きなものが出てきます。しかし、なぜ好きなのか、理由を自分から答えられない子が多く、自分の好きなものを”伝える”ことに慣れていない印象を受けました。
テレビやドラマ、雑誌やSNS、たくさんのものから情報が得られる今、子供たちはものを好きになるきっかけがたくさんあり、受け身の状態でも”出会う”ことができてしまう。
私たちが思っているよりも、高校生は自分の好きをしっかり持っていて、自分の気持ちを誰かに伝える力を持っています。伝える機会がないゆえに伝えることに慣れていないだけ。
高校に限らず、大学でもそうですが、学校というコミュニティの中では同年代との関わりだけになってしまいがちです。学校という枠組みから抜け出して、誰かに出会う、話をする機会を得る。
言うなれば、出会った人はリアルな教科書です。人の生き方から自分の生き方について考える。教室で座って先生の話を聞いて受ける授業では得ることのできない体験的な学習こそが、今高校生に必要だと感じました。
交流会当日、たくさんの来場者がいましたが、自分から来場者に話しかけて伝えよう、話してみようとしている高校生の姿を見て、グッときました。説明ではなくて、交流。その言葉のニュアンスの違いを理解して、熱心に取り組んでいる高校生の姿にとても感動しました。
伝えるために好きを言語化する
会話をしたり、偏愛マップを作りながら、「今好きなものは?」「今興味あるものは?」「何でそれを好きになったの?」「〇〇みたいなものが好きなのかな?」というように細分化された質問で自分の好きを言語化していきます。
そうやって出てきた好きなものの共通点を見つけて線と線で結んで行けば、意外な自分が見えてきたり。言葉を噛み砕いて問いかけることで、自然と自分の言葉で表現できるようになります。
興味があることを題材にするにはその中心にいる自分を知ることが必要で、しかしそれを立ち止まって考える機会というのはなかなかありません。ゆきぐに探究委員会は、十日町の高校生にとって、自分について考える時間になるのではないでしょうか。
生き方見つけにつながる
私は高校生の時、自分が何を好きで、どうなりたいのかを改めて考える機会がなく、なんとなく好きだとか、その理由を考えることもできないまま、自分の「好き」という気持ちに自信が持てませんでした。進路についても同じで、自分のことなのにわからなくてモヤモヤして考えるのが億劫になってしまっていました。
好きの言語化を繰り返すことで、好きなものから派生した興味が具体化していき、自分自身の生き方について考えることにつながっていく。
将来を考えることは仕事見つけじゃなくて生き方見つけで、生き方の中の一つが仕事。大事なのは自分が何をしたいのか。自分が何が好きでなんで好きなのかを考えるのと同じようにどう生きていきたいのか、考える力をつけてほしい。
私は最近になってやっと気がついたけど、ゆきぐに探究委員会の活動には高校生達がそれに気がつくことのできる鍵があると思います。
1人の大学生として
私は一週間、1人の大学生としてサポートをしました。美術が好きで、人よりすこーしだけ美術に詳しいだけの大学生です。先生でもないし、社会経験も未熟です。21年生きてきた、等身大の自分で高校生と関わろう、そう決めて、インターン中はとにかく高校生とおしゃべりをしました。
21年分の引き出しから、あくまで高校生の選択肢を増やすお手伝い。強制はせず、高校生がこんな表現もある、こんな考え方もあるって出会えたら嬉しいです。
大学でデザインやアートを学ぶ私が、高校生のためにできることはなんなのか。自己分析をして自分についての解像度を高めて、美術分野だけでなく、私だから話せること、その引き出しをたくさん増やしておきたいです。
まとめ
高校生はとっても素直で、たった一週間の交流でしたが、その中でもたくさんの成長を見ることができました。そんな高校生の姿を見て、私自身も、自分を振り返り、生き方について見直すことができました。
一週間は本当に短くて、高校生ともっと打ち解けたい、もっとたくさん話したいと感じ、十日町から長岡に帰る電車はとても寂しかったです…。
3月には今年度の活動を締め括る発表会も予定されています。そこへ向けて高校生一人ひとりが探究を深めていけるよう、継続的にサポートしていきたい!高校生の可能性にウズウズしています…せっかく十日町の近くに住んでいるので、いつでも飛んで行きたいです!
十日町には一週間で回りきれないほどたくさんの魅力がありました。近いうちに友達を連れて、高校生おすすめのカルビクッパを食べに、十日町に帰ってきたいと思います^ ^